【考察】人件費を抑えるためにWorkawayを利用するのは有効か

こんにちは、こぐまです。前回の記事でWorkawayについて解説しましたが、今回はホスト側からWorkawayの良い点、悪い点を考察していきたいと思います。

Workawayについては前回記事をご参照ください。

Workawayとは大雑把に説明をすると、世界的規模の住み込みバイトと雇用主のマッチングサイトです。働き手はWorkawayerと呼ばれ(この記事ではワーカーと表現します)ホストが求めるものを労働力として無償で提供し、その代わりにホスト(雇用主)はワーカーに住居と食事を提供します。

そこに金銭は基本的には発生せずボランティアというくくりとなるので、ホストからすると理論上では人件費としての支出は0で人を(厳密にはお手伝いとして)雇うことができます。

Workawayウェブサイトへ

ここでは例として個人で経営している農園に人手が欲しい、けれどもバイトを雇うほどお金に余裕がない、といった場合、人件費0円でWorkawayワーカーを雇うことが有効かどうかを考察してみました。

結論から言うと、有効でないです。

Workawayの本来の目的は文化交流なので、人件費をケチるためにワーカーを使って儲けるなんて労働力の搾取だから、といった綺麗事の理由ではなく単純に効率的ではないからです。

Workawayはホスト側でも文化交流のアクセスポイントとしての利用をおすすめします。

それでは詳しく解説してきます。

Workawayホスト側のメリット

まずホストとしてWorkawayを利用するメリットは大きく4点です。

  • Workawayの登録料がかからない
  • 世界各国のワーカー達にむけてボランティア募集ができる
  • 文化交流ができる
  • ボランティアを受け入れられる

Workawayの登録料がかからない

ホストは登録料がかかりません。ワーカーは年間一人US$44の登録料を支払い初めてホストとコンタクトが取れるようになるのですが、ホストは無料で登録ができるのでWorkawayを利用するにあたっての利用料はありません。

まずは初期費用がかからず試せるのがいいですね。

世界各国のワーカー達にむけてボランティア募集ができる

ホストとして登録をすると、ワーカーとコンタクトがとれるようになります。相手からの連絡を待つだけではなく、こちらからワーカーにメッセージを送る事もできるので、プロフィールを公開しているワーカーの中から興味を持ってくれそうな人にオファーを送る事ができます。

ワーカーのプロフィールには今後の行き先や期間なども表示されるので、やみくもに連絡する必要もないので便利ですね。

文化交流ができる

Workawayの本来の目的である文化交流ができることです。ワーカーは世界各国に登録者がいて、バックパッカーのような旅行者がほとんどです。Workawayのみで生計を立てている人も中にはいますが、かなり少数です。

そういった旅行者達と生活を共にすると文化や言葉の違いに驚きや戸惑いもあるかとは思いますが、新しい物の見方や発見があり楽しい日々が送れるはずです。

ボランティアを受け入れられる

Workawayは基本的にはボランティアなので、ワーカーに働いてもらうことに対して給料という名目での人件費は発生しません。

理論上では人件費が0円です。

Workawayホスト側の問題点

次に、ここでは例として、人件費が払えないため労働力を全てWorkawayのワーカー10人でまかなう個人経営の農園から見た問題点を解説します。

■問題点は3点です。

  • 欲しい時に欲しい人手が集められない
  • 食費・光熱費が想像以上にかかる
  • 生産性の低下

欲しい時に欲しい人手が集められない

農園では収穫シーズンがあり、シーズンには毎日何百箱もの収穫があるとします。通常は10人でまかなえる作業でも、シーズン中にはさらに人手が欲しいので様々なワーカーにオファーを出したとします。

しかしシーズンは自分だけの繁忙期ではなく、他の農園やホステルなどもたくさんのワーカーを受け入れているのでライバルが多く思った人数を集められません。Workawayで募集される多くの求人は夏の間であることが多いです。

通常の求人では、どうしても人手が欲しい場合時給や待遇を上げてアピールできますが、ボランティアの場合だと待遇面での差別化がはかりにくく、近くに海がある、有名な観光地がある、などの周りの環境などをアピールしてワーカーに興味を持ってもらう必要があります。

これはどんなビジネスでも当てはまりますが、繁忙期シーズンに人手が集められないのはかなり痛手です。

ホストの中には有給でワーカーを雇う場合もありますが、今回は人件費0円でというトピックなので、ここでその点は考慮しないことにします。

食費・光熱費が想像以上にかかる

ホストはワーカーへ労働の見返りとして食事と住居を提供します。

ワーカーは18歳から登録できるので、高校を卒業したてのティーンエイジャーや、大学の夏休みを利用して来た学生などの若い世代が多いです。もちろん他世代のワーカーや家族単位でワーカーとして登録している人も中にはいますが、ワーカーの大部分を占めるのが30代くらいまでです。

若者10人の食事量を想像してみてください。まずその食事を用意するためだけの要員が必要になります。

そして光熱費も想像以上に高くつきます。田舎でプロパンガスを使っていたりすると尚更ですよね。

エコに非常に敏感なワーカーもいますが、その全く反対なワーカーももちろんいます。いくら節約を呼びかけたところで、人によっての節約の快適度は違ってくるので強要は難しいです。

シャワーは5分で自動的に止まる、といった仕組みを導入するにしてもその費用もかかりますしね。

生産性の低下

生産性の低下が一番大きな問題です。

これに関しては次のトピックで深堀りしていきます。

なぜ生産性が低下するのか

報酬がないと生産的に働けない

まずWorkawayでの報酬とは、食事と住居です。それ以外の金銭面での報酬はないのでいくら働いたとしてもご飯を食べ生活をすると最終的に自分に残るものは経験のみです。もちろん経験はとても大事なものですが、お金は貯まりません。

ではたくさん働くと報酬が上がる仕組みを作ったとします。ここでの報酬とは食事と住居なので、イチゴを50箱以上摘んだ人はデザートが付き、60箱以上摘んだ人はトイレ付きの部屋に移動できる、そんな仕組みだったとします。

そうするとこのルールを管理するための要員も必要になります。そんな事を管理していてもイチゴはどんどん熟してくるので、管理する時間分イチゴをさっさと摘んでもらった方が生産量はあがります。

そもそも報酬が労働に見合うだけ魅力的なものでなければ意味がないので、デザートを目当てだけにイチゴを摘むワーカーがどれくらいいるのかを考えれば効果的でないことは明白です。

決まった時間以上は働きたくない

たくさんイチゴを摘むとその分パッキングの量も増えるので、それだけ時間がかかります。ワーカーは仕事の後は川で泳ぎたいので残業はしたくありません。残業をしたところで残業代が発生するわけでもないからです。(食事にデザートがつく可能性はありますが)

するとそのうち時間内に終わらせられる分のイチゴの収穫量が分かってきます。天気がいい日が続き食べ頃を迎えたイチゴが大量にあっても、それ以上に摘むと時間内に終わらなくなるのでワーカーは熟したイチゴを全て摘み取ることなくその日の仕事を終えます。

一定の生産量は保てるもののそれ以上に生産量はあがることもなく、熟したイチゴは摘み取られることのないまま腐り、カビが生え出し周りのイチゴにも悪影響を及ぼしはじめ、徐々に生産量は減っていきます。

ホストはワーカーに対して強く命令できない

あくまでもWorkawayはボランティアで、労働も「お手伝い」という名目なので、ホストもワーカーに対して「もっと働け」とは強く出れません。

Workawayでは労働時間は1日4〜5時間、週5日ほど、といった目安がありますが、ホストとワーカーの合意の上で決まった時間となるので、ホストはそれ以上にワーカーに強要することができません。

では熟したイチゴを全て時間内に摘み取れるだけの人数のワーカーを受け入れ生産量を上げることは可能でしょうか。

その分食費、光熱費もあがり、住居の確保としてのリソースも必要にはなりますが、キャパがあるなら可能です。ただし人が増えるとその分だけワーカー達をまとめる労力も増えるのであまり現実的ではありません。

Workaway農園は小さな共産主義国

こうしてみてみると、Workaway農園は共産主義国のような生産性の悪さが浮き彫りになります。

普通共産主義国は特権階級が国の富を独り占めしますが、残念ながらこのWorkaway農園は生産性が悪すぎて特権階級が独り占めできる富は貯まってませんでした。

人件費0円では生産性は上がらない

働き者の日本人を雇えば生産性は上がるか

日本人の国民性は働き者なのは確かです。しかし同調圧力に弱い一面もあるので、周りのワーカーが時間外に働かない中、先頭をきって残る熟したイチゴを摘み取る作業を続けるでしょうか。

ではワーカーを全員日本人で揃えれば生産性はあがるでしょうか。

ここに関しては想像でしかないので分かりませんが、しばらくは働くけれども不満が溜まり、すぐ辞める人ばかりになり、ベテランワーカーがいない事で結果生産性が落ちる事になるのではないでしょうか。ブラック企業と一緒ですね。

Workaway農園で生産性を上げるには

この例Workaway農園で生産性をあげるには摘み取ったイチゴの出来高の何%かを給料として支払う取り決めをするべきです。摘めば摘むほどお小遣いが増えるわけなので、決まった時間を超えても自らイチゴを摘みに行くワーカーもでてくるでしょう。

誰がどれだけ摘んだのか管理する手間は増えますが、その管理もいくらかの給料でワーカーにしてもらいばいいので、先にどのように管理するか仕組みだけつくっておくといいですね。

農園以外の場合でも生産的ではない

農園でない場合、たとえばホステルのベッドメイクの場合でも同じく生産的ではないと考えられます。ワーカーが責任感を持って真面目に働いてくれればいいですが、ボランティアに求められる責任は有給のスタッフのそれとは比べられるものではないです。

さらにホステルの場合だとワーカーが商品であるベッドを使うわけなので、その分の売上げを上げるソースがなくなるという事です。

おすすめできるWorkawayの利用法

ワーカーに生産性は求められないものの、本来の目的である文化交流としてならWorkawayは断然おすすめです。

こんな場合にWorkawayのホストとして登録するのがおすすめです。

Workawayはこんな人におすすめ

  • ベビーシッターを探している
  • 活きた英語を勉強したい
  • 家事代行サービスを探している
  • ガーデニング、家庭菜園を手伝って欲しい
  • DIYを手伝って欲しい

まずおすすめなのはベビーシッターです。外国人だと基本会話は英語です。住み込みの英会話の家庭教師ってすごくないですか。英語の教師でなくても英会話はできるので、習う英語よりも実用的な会話が学べます。

あとは家の掃除や買い物や、ガーデニングなどの少しだけ人手が欲しい時だけ短期的にワーカーを募集するなどもおすすめです。

ひとり、またはカップルのみ受け入れる

おすすめなのは、複数人を同時に受け入れずひとり、またはカップルのみ受け入れることです。人が増えるとその分トラブルのタネも増えるので、はじめから信頼できそうな人を厳選して受け入れる事が大切です。

ワーカーのプロフィールは詳細までしっかり読み、レビューも確認しましょう。

プロフィールは詳細に書いておく

前回記事でも述べましたが、Workawayでの大半のトラブルはホストとワーカーのコミュニケーション不足で起こります。

生活環境や文化、言語が違う人と人が同じ環境で生活する事自体にトラブルは付き物ですが、防げるトラブルは先に潰しておく方がお互いのためです。

そのためにも募集要項は詳細までしっかり記入しておきましょう。

どんな仕事をして欲しいのか、どんな人に来てもらいたいのか、提供できる部屋はどういったものか、家族構成やペットの有無など、具体的な写真も載せてワーカーが勘違いしないようなプロフィールを作る事が大切です。

最後に

お気づきかもしれませんが、今回考察した例Workaway農園は実際に私がワーカーとしてボランティアに行った所で起きていたことです。ホステルも同じく実体験をもとに考察しました。

極端な例であったかもしれませんが、少なくとも同じような傾向はあると考えられます。

人件費を抑えるためにWorkawayを利用することは生産的ではありませんが、本来の目的である文化交流としては大いに有効的です。

ワーカーを受け入れるのは、留学生のホストファミリーのようなイメージですね。英語学習としてもおすすめできるWorkaway、一度試してみてはいかがでしょうか。

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